「え?横?」
「印鑑みたいに伝統文化的なものを横書きって、ちょっと違和感が・・・」
「そんな印鑑見たことない」
と思われる人もめずらしくはありません。なぜなら、
他人の銀行印など、金融機関にお勤めでもない限りそうそう目にする機会はないからです。
横彫りにする理由は、メインの銀行印とそれ以外の混同を避けるため。
一見同じような大きさ、材質の印鑑を他に持っていると、登録した銀行以外の書類にうっかり銀行印を押してしまう間違いが起こり得ます。印影を不必要に人目にさらすことはセキュリティーの低下につながりますので、こうした混同を避けるために、大事な銀行口座の登録印は印影でもはっきりわかるように横彫りにすることが多くなり慣習化しました。
横彫りといっても、実はひと文字ずつの縦書きのことなので、読む方向は縦書きと同じ右から左です。通常の横書きとは逆になります。
あくまでも慣習ですので、お好みに合わなければ縦彫りにされても何ら差し支えありません。書体や枠、印材など認印との混同を避けるには他にも様々な方法があります。
印相体
てん書体
銀行印に使用する書体にきまりはないのですが、読まれにくく複雑な印相体かてん書体が最もよく使用されます。
【 印相体の特長 】
印相体は文字が大きく入り、文字同士と枠線がどこかでつながっている書体です。文字が大きく入り線が太く、枠とつながった箇所も多いため書体として欠けにくいという利点があります。
枠の一部でも欠けてしまうと銀行印は印影が変わったとみなされ登録し直すことになりますので、耐久性は銀行印にとってとても大切です。
【てん書体の特長】
最も古い時代に編纂された書体です。印相体も隷書体もてん書体を基にして作られました。てん書体の中にも種類があり、時代によって変化があります。
お札に印刷されている印鑑の書体でもあることから、これにあやかって銀行印によく用いられます。大きさもお札の印鑑に倣って直径15ミリで作られる方が多いです。
ただの丸枠以外見たことがないと思われるかもしれませんが、実は特に規定はなく、枠でほんの少しオシャレしても問題ありません。二重枠のような昔からある枠の他にも、色々な飾り枠をご用意していますので、楽しんで選んでいただけます。
最近はイラスト入りの印鑑の使用も広がっていて、お子様の銀行印としてプレゼントにされるケースも多くなっています。銀行印として使用する場合は、あくまでも氏名が主役なので、イラストが大きすぎず名前を引き立てるものがお勧めです。
認印との混同を避ける方法のひとつとして、また大切な銀行印に特別感を与えるための選択肢としてともにご検討ください。
(飾り枠やイラスト入りは余白がないと美しく見えないため、印相体は用いません。)